フレイルのお話
高齢になると、トイレのお悩み [別項へジャンプ]とともに、後述するフレイルが問題になってきます。過活動膀胱(頻尿や切迫性尿失禁)や夜間頻尿はフレイルと深く関係しているため、「過活動膀胱や夜間頻尿を適切に治療することによってフレイルの進行を止める」という目標を掲げて、当クリニックではトイレの症状の診療にあたるのと同時に、関連学会(日本老年医学会、日本サルコペニアフレイル学会など)で活動しています。
フレイルとは?
フレイルというのは、ご家族などから介護を受け始める、その一歩手前の状態を指す言葉です。医学的に表現しますと、歳をとるにつれて予備能力が低下して、心身にかかったストレスに対して回復しにくくなった状態、ということになります。身体の力や機能が衰える、といったことのほかに、家に閉じこもって人とのつながりが少なくなることや、もの忘れを始めとした認知機能の低下、といった社会的、あるいは精神的な衰えの要素も含まれる言葉です。
具体的な例をあげると、高熱を伴うひどい風邪をひいた時に、いわゆる健常な方では、具合の悪い時期は4~5日程度で、1週間か10日たてば、もとの元気な体に戻ります。その力が予備能力です。それに対してフレイルの方の場合は、具合の悪い時期が2週間、3週間と長引いて、なかなか治らない、あるいは、治ってきたと思っても元の元気さまでは回復しきれない、という感じです。そんな状態が続くと、転倒・骨折の危険性が健常な方の2~3倍に増して、結果的に介護を受ける状態になりやすいことがこれまでの研究でわかっています。国内の大規模な調査では、ご自宅で暮らしている65歳以上の方の約10%の方がフレイルであることが明らかになっています。
具体的な例をあげると、高熱を伴うひどい風邪をひいた時に、いわゆる健常な方では、具合の悪い時期は4~5日程度で、1週間か10日たてば、もとの元気な体に戻ります。その力が予備能力です。それに対してフレイルの方の場合は、具合の悪い時期が2週間、3週間と長引いて、なかなか治らない、あるいは、治ってきたと思っても元の元気さまでは回復しきれない、という感じです。そんな状態が続くと、転倒・骨折の危険性が健常な方の2~3倍に増して、結果的に介護を受ける状態になりやすいことがこれまでの研究でわかっています。国内の大規模な調査では、ご自宅で暮らしている65歳以上の方の約10%の方がフレイルであることが明らかになっています。
フレイルの危険因子
フレイルの危険因子はいくつかあります。まずは生活習慣。偏った食事内容や運動不足はフレイルにつながります。そのほか、肥満、糖尿病、心臓病、腎臓病といった生活習慣病もフレイルになりやすく、また逆にフレイルになっている方がこれらの生活習慣病になりやすいことも知られています。また、服用中の薬の種類が6種類以上、または7種類以上だと要注意とされています。
フレイルの予防方法
お勧めする方法の一つは食事・栄養、もう一つが運動習慣です。どちらにもフレイルの予防効果がありますが、両方を並行してやると最もフレイル予防効果が高いことがこれまでの研究で明らかになっています。
食事・栄養
ここではキーワードを3つ挙げておきます。1つは、いろいろバランス良く食べる、1つは、たんぱく質をしっかりとる、そしてもう一つは、楽しみながら食べる、ということです。
いろいろバランス良く食べるということはいろんな健康講座で言われますが、フレイル予防に最もよい食事としてよく取り上げられているのが地中海料理です。地中海料理には、野菜や果物、オリーブオイルが豊富で、食材の品目も多くてバランスがとれている、という特徴があります。野菜も含めてバランス良く食べる、ということがやはり大事だということです。
たんぱく質の取り方も重要です。特に朝食のたんぱく質不足の方が多くおられます。朝はご飯に、お味噌汁、たくあんがあれば十分、という方も多くおられますが、お味噌汁に御揚げやお豆腐を加えてみたり、パンがお好きの方であれば、バターをたっぷり塗ってみたり、というだけでも随分違います(※注意:腎機能が高度に低下している方の場合は、担当医師との相談が必要です)。
そして3つめの楽しく食べる、というのは、見過ごされることが多い点だと思いますが、最近の研究では、常にお一人で食事をされる方の方がフレイルになる確率が高いことがわかってきています。一人暮らしはもちろんですが、ご家族と同居している方でも食事の時はいつも1人、という方は、外出してお知り合いの方と一緒に食事をする、というのはフレイルの予防にとても大事になってきます(特定の友人がいなければ、地域で定期的に集まる場所にお出かけいただき、一緒に弁当を食べるだけでも随分違います)。
いろいろバランス良く食べるということはいろんな健康講座で言われますが、フレイル予防に最もよい食事としてよく取り上げられているのが地中海料理です。地中海料理には、野菜や果物、オリーブオイルが豊富で、食材の品目も多くてバランスがとれている、という特徴があります。野菜も含めてバランス良く食べる、ということがやはり大事だということです。
たんぱく質の取り方も重要です。特に朝食のたんぱく質不足の方が多くおられます。朝はご飯に、お味噌汁、たくあんがあれば十分、という方も多くおられますが、お味噌汁に御揚げやお豆腐を加えてみたり、パンがお好きの方であれば、バターをたっぷり塗ってみたり、というだけでも随分違います(※注意:腎機能が高度に低下している方の場合は、担当医師との相談が必要です)。
そして3つめの楽しく食べる、というのは、見過ごされることが多い点だと思いますが、最近の研究では、常にお一人で食事をされる方の方がフレイルになる確率が高いことがわかってきています。一人暮らしはもちろんですが、ご家族と同居している方でも食事の時はいつも1人、という方は、外出してお知り合いの方と一緒に食事をする、というのはフレイルの予防にとても大事になってきます(特定の友人がいなければ、地域で定期的に集まる場所にお出かけいただき、一緒に弁当を食べるだけでも随分違います)。
運動習慣
効果が明らかなのは、強負荷の筋肉トレーニング=いわゆる筋トレです。筋トレというと、自分には無理、若い人のすること、と思われる方も多いかとは思いますが、特別な機械を使わない、部屋の椅子や机、あるいはタオルを使う程度でできる筋トレもたくさんあります。肩や腰、膝の悪い方も多くおられるので、無理ない程度に続けることがポイントです。また、ウォーキングなどの有酸素運動もフレイル予防に役立つので、取り入れる価値があります。
詳しい内容は下記サイトを参照ください(別ウィンドウで開きます)
健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html
日本老年医学会 https://jpn-geriat-soc.or.jp/
日本サルコペニアフレイル学会 https://www.jasf.jp/contents/flail.html
健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html
日本老年医学会 https://jpn-geriat-soc.or.jp/
日本サルコペニアフレイル学会 https://www.jasf.jp/contents/flail.html